ブリッジ回路を用いたひずみ測定理論

2021年4月19日

問題

 図は、ひずみにより微小な抵抗変化を生じるひずみゲージを用いた測定回路である。このような抵抗の測定には、図のような \(\fbox {  (1)  }\) ブリッジの原理が使用される。

 図において、直流電圧源を \(E\) 、回路の電流を \(I_1\) 、\(I_2\) とする。ひずみがなく、ひずみゲージの固定抵抗 \(R_1\) の変化 \(ΔR_1\) が \(ΔR_1=0\) の場合、ブリッジの出力電圧 \(V_o\) を \(R_1\) 、\(R\) 、\(E\) を用いて表すと、

$$ V_o = \fbox {  (2)  } \tag*{①}$$

となる。ただし、周囲温度の変化による各抵抗の変化は無視できるものとする。

 次に、ひずみが生じ、\(R_1\) が \((R_1+ΔR_1)\) になった場合を考える。\(R_1=R\) となるようなひずみゲージを選べば、①式より \(V_o\) は

$$ V_o = \fbox {  (3)  } \tag*{②}$$

となる。ここで、通常、\(R_1 \gg ΔR_1\) であることから、②式より \(V_o\) は

$$ V_o ≒ \fbox {  (4)  } $$

となり、\(ΔR_1\) に比例した電圧が得られる。

 したがって、\(R_1=R=100Ω\) 、\(E=2V\) であるとき、ある大きさのひずみにより、0.2%の抵抗増加が \(R_1\) に生じたとすれば、\( \fbox {  (5)  } \ mV\) の出力電圧 \(V_o\) が得られる。

問題

(1)測定回路の原理

 図のような回路はホイートストンブリッジ回路と呼ばれます。試験解答群の他選択肢回路構成は以下の図のようになります。

(2)\( ΔR_1=0 \) の時の出力電圧

 下の図において出力電圧 \( V_o \) は、\( V_o= V_a-V_b \) で表せます。

\( V_a \) は分圧則より、

$$ V_a= \frac{R}{R+R}E = \frac{1}{2}E $$

となります。また、\( V_b \) は \( ΔR_1=0 \) なので、

$$ V_b= \frac{R}{R_1+R}E $$

となります。したがって、出力電圧 \( V_o \) は、

\begin{eqnarray}
V_o &=& V_a-V_b \\[3px]
&=& \frac{1}{2}E-\frac{R}{R_1+R}E \\[3px]
&=& \frac{R_1-R}{2(R_1+R)}E
\end{eqnarray}

と求まります。

(3)ひずみが生じた場合の出力電圧

 (2)と同様の手順で出力電圧 \( V_o \) を求めます。ひずみが発生しても \( V_a \) を求める回路は変化しないので、\( V_a=\frac{1}{2}E \) となります。\( V_b \) は \( R_1=R \) なので、

$$ V_b= \frac{R}{R+ΔR_1+R}E = \frac{R}{2R+ΔR_1}E $$

となります。したがって、出力電圧 \( V_o \) は、

\begin{eqnarray}
V_o &=& V_a-V_b \\[3px]
&=& \frac{1}{2}E-\frac{R}{2R+ΔR_1}E \\[3px]
&=& \frac{ΔR_1}{4R+2ΔR_1}E \tag{1}
\end{eqnarray}

と求まります。

(4)出力電圧の近似

 題意より、\( R_1 \gg ΔR_1 \) なので 式\( (1) \) は、

$$ V_o = \frac{ΔR_1}{4R+2ΔR_1}E ≒ \frac{ΔR_1}{4R}E \tag{2}$$

と近似できます。

(5)出力電圧の具体的数値

 題意より、\( R_1=R=100 \ Ω \) 、\( E=2V \) 、\( ΔR_1=0.002R_1=0.2 \ Ω \) なので出力電圧 \( V_o \) は 式\( (2) \) より、

$$ V_o = \frac{0.2}{4×100}×2 = 1.0 \ mV $$

と求まります。